紅茶の日記

好きなコトに対して、気軽にゆるーく語ります。

深夜特急

深夜特急』全6巻読み終わりました。

 

私は読み始めた当初「デリーからロンドンまで乗合バスで行く」ことの難しさにきづいていませんでした。観光バスのようなものをイメージしていたのですが、それがなんと日本で言う交通バスのようなものだったとは。

島国に住む私には想像もつきません。

バスだけで県境を越えるだけでも大変なのでは、、そもそも県境をバスで越えると言う経験もあまりしたことがないですが。

 

そんなこんなで、「旅と人生」を対比させ、20代と言う人生に迷う時期にとっておきの一冊だったと感じています。

 

これから先の、暗闇のベールに包まれた人生に漠然とした不安を抱く21歳の私ですが、「わかっていることは、わからないことだけ。」人生の教訓になりました。

 

何が起こるかわからない

このことだけが、今わかっていること。

 

印象に残っているシーンをいくつか紹介します。

まずはマカオのカジノですね。臨場感あふれて現地の熱気が伝わってきます。

私は北京に半年間住んでいたことがあるので、中国独特のカオスな感じが思い出されて、懐かしかったです。中国、おもしろい国です。

あとは香港で泊まっていた「黄金宮殿」、著者がここまで思い入れのある宿は、ここだけではないでしょうか。愛着を感じました。

 

次はインドです。インド、1度訪れて見たいです。中国を上回るカオスが存在していそうで、一度覗いてみたいです。インドはどこか神秘的で、しかしながらどこか死の香りが漂う不思議な感覚になりました。

 

個人的には、アジアよりも文明が発達しているはずであり、便利なはずののヨーロッパに近づくに連れ、著者の目的である「乗合バスで」と言う部分が困難になるのが面白かったです。文明発達だけが、人類にとっての便利ではないことが皮肉で好きです。

 

最後はポルトガルです。スペインのような情熱的な印象はなく、静かで落ち着いた雰囲気が好きでした。かつては世界の覇権を握っていたとは思えない点が、奥ゆかしくて行ってみたい国の一つになりました。

 

この物語の一つの軸として、「茶」がありました。「CHA」なのか「TEA」なのかで、著者の中での世界が分割されていましたが、最後でまさかのどんでん返しが。しかし、私はポルトガルがCHA出会ったことになぜか喜びと親近感を覚えました。

 

”From Youth To Death”

私のこれからの人生にも言えることですね。この言葉、爽やかで気に入りました。

 

こんな時代が終われば、また海外に行きたくなる一冊でした。